中古マンションの購入にあたっては、物件選びの要素を、あらかじめ決めておくことで、自分の目標とする物件は、どういったものなのかを、具体的にすることができます。

また、頭の中で考えていたことを書き出したりすることで、購入の希望や目的もある程度明確にすることができると思います。人によって、中古マンションの物件選びの要素は、様々だと思います。

ここで、物件選びにあたって、誰にとっても共通の重要なポイントをご紹介したいと思います。


◆立地条件

通勤、通学の利便性、買い物の便利さ、駅からどのくらいか、スーパーは近所にあるかなど、実際にそのマンションで生活した時のことをシュミレーションして、条件に合うかどうかを確認しましょう。物件選びの要素の、最重要項目です。


◆周辺の環境

子供のいるご家庭では、学校や公園などの公的施設の整備と位置、物件周辺の治安の状況や、周辺で起きているトラブルなどがないかを調べましょう。周辺の環境については、不動産業者の担当者が、ある程度把握していることが多いので、必ず聞いておきましょう。

不動産業者については、物件について、最低限伝えなければならない事項以外は、「聞かれなければ答えない」という風潮があるので、思ったことは、ドンドン質問しましょう。


◆間取り

これから居住することと、未来に予想される家族構成を考慮しながら、必要な間取りを考えておきましょう。「我が家」は、広いに越したことはありません。しかし、限度がありますので、現在の住居と比較しながら、考えるのもいいでしょう。


◆安全性

築年数にもよりますが、現在の建築基準と照らし合わせて、どの程度差異があるか、または同等かを、調べる必要があります。主に、中古マンションのチェック事項として必要なのが、耐震強度とシックハウス対策です。


◆セキュリティ

現在、マンションの防犯対策は、物件選びの要素として、大変重要視されています。オートロック、ピッキング対策錠などは、新築物件については、当然の設備となっています。これから購入しようとする中古マンションについても、同等か、あるいは、リフォームなどの施工で防犯機能が追加できるかどうかを把握しておきましょう。

ここからは、やや具体的な内容になりますが、「良い中古マンション」を、「1円でも安く」購入するには、物件の価格が適正であるかどうかという、「価格の判断」が必要になります。

最近までは、「言い値が売り値」というのが当然のごとくまかり通ってきたのが中古マンションの実情でした。そして、物件の価格が、適正かどうかを判断しづらい、または、できないという買い主さんが、ほとんどでした。

この状況を打開する方法が、次の2点です。価格の判断の参考にしてください。


◆実勢価格公開

実勢価格公開とは、2006年秋からスタートしたシステムです。「不動産流通機構」という、全国の不動産業者の組織が、中古マンションや住宅の実勢価格を、インターネットで無料公開しているものです。

実勢価格を公表するエリアは、東日本、中部圏、近畿圏、西日本の4地域に分かれます。エリアごとの不動産流通機構(計4機構)が持つ共通のホームページ、「レインズマーケットリサーチ」において、行われています。

ホームページで、地域、建物の種類、築年数、間取りなどの諸条件を入力すると、該当する物件の面積と売買価格が、一件ずつグラフに表示されます。


◆市場価格

市場価格とは、いわゆる、相場というものです。つまり、実際に売買されている価格です。自分が購入したいと思う希望の物件に近い中古マンションを探しましょう。

そして、見つかったら、物件の価格と、自分の希望に見合うかどうかを判断し、実勢価格とも比較しましょう。同じ価格でも、立地(都心部と郊外)、築年数(5年と10年など)、間取りなどで、物件そのものの構成が大きく変わります。

また、市場価格を知ることによって、価格の判断をして、自分の中古マンションの購入資金は、どのくらい必要なのか、いくら調達すればいいのかのメドが立つという意味で役立つでしょう。

中古マンションの広告の見方は、まず、「表示規約」と「宅建業法」という決まりに基づいて作られています。これらの決まりに違反して表示され、広告されているような物件は、それだけで信用に値しないと考えて良いでしょう。広告の見方を身につけることは、良い中古マンションを見つける近道であると言えます。

◆徒歩所要時間

徒歩の所要時間は、80メートルを1分間で歩く設定で計算されています。そして、この計算に、信号待ち、歩道橋、地下道などを通過する時間は含まれていないため、駅、または、バス停などから、止まらずに歩いた場合の時間を表していることになります。従って、現実には、プラス1~2分は加算して考えるのが一般的です。

◆最寄り駅

最寄り駅とは、当たり前ですが、物件から一番近い駅ということになります。しかし、「2駅3駅利用可」などとなった場合、急行停車駅などが最寄り駅と表示される場合がありますので、「複数駅利用可」の場合は、各駅と物件の距離との所要時間を調べる必要があります。

◆売出価格

中古マンションや、中古一戸建ての広告に出ている価格のことを、「売出価格」といいます。これは、売主の状況によって、早く売りたければ、安めの価格になり、余裕があれば、高めの価格になります。

新築マンション、分譲地、建売住宅等の広告にでている価格は、販売価格と呼ばれています。ここで、勘のいい方はお気付きになられたかもしれませんが、中古マンションは、それぞれ、売主にも事情があるため、価格の変動があります。

ということは、裏を返せば、価格について、交渉の余地が十分にあるということです。新築ではそうはいきません。このことは、中古マンションならではの魅力と言えるでしょう。

◆誇大広告

「誇大広告」とは、文字通り、大げさな表現による広告のことです。表示規定により、「格安、最高級、完全、当社だけ」などの特定用語の使用を禁止しています。また、宅建業法でも裏づけのないことや、実際の物件よりも良く見せかける表現も、法律で禁止されています。

現在では、購入する側の見る目も、ずいぶんと肥えてきていることから、広告を出す業者も、使用する言葉には、以前と比べて、慎重になりつつあるようです。しかし、それでもまだ、「誇大」と取れるギリギリの表現をしている広告もあります。

広告をいくつも見ていると、そのような誇大な表現に、不思議と惹かれてしまうのが、人間の心理というもののようです。比較対象が規約にのっとっているものの方が、見劣りしてしまいます。

「いいな」と思った表現がされている物件ほど、「ホントかな」と思う価値は十分にありますので、全てを鵜呑みにしないよう注意しましょう。誰でも、自分が売るものは、「良い物ですよ」と言いたいものです。

上記4点に注意するだけで、中古マンションの広告の見方は、ずいぶんと変わるのではないかと思います。

中古マンションを手に入れたい場合には、まず、「購入予算」が決まらなければ、目標とする中古マンションも、決められないと思います。

ただし、目的の中古マンションの、価格だけを用意すれば良いということにはなりません。購入後は、維持費や修繕費、それに、駐車場代なども見越した予算を、算出しておく必要があります。購入後、返済にアップアップにならないように、綿密な購入計画を立てることが、失敗しない中古マンション選びの基本です。

計算方法としては、そのひとつに、「借りる額÷100万円×購入資金係数」という式があります。購入資金係数とは、住宅情報誌などの巻頭や巻末にでてくる、ローン金利の早見表の金額です。これは、100万円借りたときの月々の返済額を示しているものです。本来の使い方とは、逆の使い方になりますが、比較的、簡単に計算できるので便利です。

しかし、もっと簡単な方法があります。中古マンションの購入予算の計算も、融資を受けようとする金融機関にお願いしてしまうという方法です。金融機関は、意外といろんなことをしてくれるものなのです。

自分の収入と、月々の返済可能額、ボーナス時の返済可能額を伝えれば、自分が、一体いくらの中古マンションを購入できるのかが、すぐにアドバイスしてもらえます。

資金を借りるのは自分自身ですが、金融機関にしてみれば、お客様ですので、様々なニーズに答えてくれるのです。お客様なのですから、遠慮は要りません。

何でも聞いてみる、お願いしてみる価値は、十分にあります。購入予算が決まれば、中古マンションの探しやすさは、格段にアップします。是非とも、まずはしっかり、購入予算を決定しておくことをお勧めします。

「現地内覧」とは、自分の目で、目的の中古マンションを確かめるというとても重要な作業です。購入を決定づける最大の要因でもあると言えるでしょう。

中古マンションのメリットとしては、全ての物件が、現地の内覧、外覧問わず、自分の目で確認できるということです。品質や周辺環境を実際に見ることによって、自分が居住したときのことを、具体的にシュミレーションすることが可能です。

内覧ができる中古マンションに関しては、メジャーや方位磁石などを持参して、測定することも必要です。

ここで、中古マンションを購入される方に質問ですが、「現地内覧」に行くとしたら、一日のうちの、どの時間帯に行きますか?

朝、昼、夕、晩の、いずれかですが、実は、一つの時間帯だけでは不十分なのです。最低でも、昼と夕の2つの時間帯には、現地を訪れ、日照の具合を確認してください。

また、季節にもよりますが、夏場と冬場の日照について、2つの時間帯を訪れることにより、おおよその予測も可能となります。

また、可能であれば、晴れの日と雨の日の、2日に分けての内覧も理想的です。雨の日は、周辺の雨水の流れを観察することができ、平地だと思っていた所が、実は傾斜していたり、すぐに水が溜まる場所が近くにないかどうかがわかります。

さらに、その地域の役所へ行くと、ハザードマップを作成している自治体では、無料で配布しているので、入手するのも良いでしょう。

中古マンションの現地内覧を繰り返すことによって、室内に家具や調度品を置いたときの様子を、だんだん、頭の中で、シュミレーションすることにも慣れてくるでしょう。こうなると、購入するということが、自分にとって現実のものと感じられてくるのではないかと思います。

中古マンションの購入にあたっては、「仲介業者」の選び方は、大変重要です。紹介してくれる物件もそうですが、信頼の置ける相手でなければ、とても高額な買い物である中古マンション購入は、自分の理想とかけ離れてしまいかねないからです。

しかし、選ぶといっても、はじめはただ漠然としているかもしれません。そこで、まずは、物件を探すエリアの仲介業者を、どこでもいいので訪ねてみることをおすすめします。そして、第一に、業者の対応をみます。やる気があるか、親身に接してくれているか、いわば業者の人間性を見極めてみましょう。

希望の物件を伝えるだけで、「やる気」の度合いは、結構、伝わってくるものです。これで、まずはいくつかの業者を決めます。

いくつかとは、複数の業者に依頼することによって、業者ごとに持っている、不動産業者のネットワークである、「レインズ」にのっていない独自の物件を把握できる可能性があるからです。

割と、そういった独自の物件が、掘り出し物だったりもします。また、紹介された中古マンションを、実際に内覧してみます。そこでの業者の対応も重要です。

例えば、一つの中古マンションの物件を見に行ったとします。「レインズ」に出ている物件であったとすると、業者間共通の物件であるため、案内してくれた業者の担当者自身が、初めて見る物件ということも、少なくはありません。

そこで、その担当者が、我々購入者の質問に、いかに真剣に答えようとしているか、また、調べてくれるかを、よく観察しておきましょう。人間観察のようですが、これは、後々のために、極めて重要なことなのです。

そして、もう一つ、仲介業者の選びの方法として、あまり知られていないですが、とても簡単な方法があります。それは、「融資を受ける金融機関に、仲介業者を紹介してもらう」ということです。

何やら、話が逆じゃないか?と思う方もいらっしゃると思います。しかし、逆で良いのです。先に、この金融機関から資金を借りると決めてしまえば、その金融機関が取引している信用のおける仲介業者を紹介してもらえるからです。

「おたくで融資を受けたいので、仲介業者を紹介して欲しい」と金融機関に言う、これだけで、信頼に足りる業者が決まってしまいます。

金融機関が紹介する業者なので、地域で、それなりに名の通った業者になります。わざわざ自分で足を運んで、業者を決める手間が、省けるというメリットはあると言えるでしょう。